職場におけるCOVID-19の拡散防止および予防策に関する新しいOSHAガイダンス | New OSHA Guidance on Mitigating and Preventing the Spread of COVID-19 in the Workplace
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バイデン大統領がCOVID-19の大流行のもとで労働者を保護するよう要求する大統領令を発表したことを受けて、労働安全衛生局(OSHA)は、「Protecting Workers: Guidance on Mitigation and Preventing the Spread of COVID-19 in the Workplace (https://www.osha.gov/coronavirus/safework )」と題した雇用主向けの包括的な新しいガイダンスを発表しました。このガイダンスは、大部分が既にOSHAや州および連邦政府機関が過去に表明した安全原則を踏襲したものですが、幾つかの新しい緩和および防止策も強調されているところが注目に値します。現在のところ、このガイダンスは法的義務を課すものではありません。とはいえ、これは新政権が今後何を考え何を期待しているかについての理解に役立つものであり、雇用主は内容に十分注意を払う必要があります。
ガイドラインの定める新たな拡散防止および予防策を、以下簡潔に幾つか紹介します。
職場において雇用主が実施する COVID-19 防止プログラム. OSHA は、雇用主が、 COVID-19 防止プログラムの策定に労働者および労働組合またはその他の労働者代表を関与させることを推奨します。OSHA は、プログラムには主要な要素として以下が含まれるべきとしています。
- 職場でのCOVID-19 の問題に責任を持つコーディネーターの任命。
- 勤務中に労働者がどこでどのように COVID-19 にさらされるリスクがあるかを判断する危険性評価の実施。
- COVID-19の感染が判明した、または感染が疑われる者が会社建物内に入った後は清掃および消毒を強化して行う。
- COVID-19の感染検査および予防接種の利点と安全性に関する情報およびトレーニングに関する指導を提供する。ここで注目に値するのは、雇用主はすべてのワクチン接種資格のある従業員がCOVID-19ワクチンを無償で接種できるようにすることを推奨していることです。
- 記録義務、報告義務を遵守すること。雇用主は、以下の場合には、COVID-19 の発症症例について FORM 300 ログに記録する義務があります。(1)COVID-19 への感染が確認された、(2) 業務に関連した感染である、かつ(3) 記録基準(治療を受けたこと、休職日数など)を1つ以上満たす。雇用主は、COVID-19による死亡および入院症例についても、所定の要件に従いOSHAに報告する義務があります。詳細は、OSHAのウェブサイトをご参照下さい。また、雇用主は、所定の場合には保健所にCOVID-19の発生を報告し、接触者追跡に協力する必要があります。
- 職場でCOVID-19 の拡散を抑制するための対策を複数特定し、最も効果的なものから最も効果的でないものまで、対策に優先順位をつける。
- フェイスカバーを使用し、すべての労働者に無償でフェイスカバーを提供することにより、拡散を抑える。障がいのためにフェイスカバーを着用することができない労働者への合理的な対応を検討する。
- COVID-19への対策プランや取るべき措置について、労働者が理解できる言語で(障がい者にもアクセス可能な方法で)、労働者に対して連絡、教育、およびトレーニングを行う。
- 重症化のリスクが高い労働者(高齢者や重篤な基礎疾患を持つ者など)に対する保護のための対策プランや手法を検討する
- COVID-19に感染している、または感染している可能性のある労働者は、感染のリスクを予防または軽減するために、自宅に留まり隔離させる。これにより欠勤することが懲罰であってはならず、隔離が労働者に与える悪影響は最小限に抑えるようにする。
- COVID-19の感染が判明した、または感染が疑われる労働者を確実に自宅に待機させ隔離するための措置を採る。
- 匿名でのホットラインの設置など、COVID-19に関する懸念を労働者が会社に対して提起したときに報復を受けることがないよう保護する方法を実施する。
ワクチン接種を受けている労働者と受けていない労働者を(COVID対策プラン中で)区別して扱ってはならない。 ガイダンスは、COVID-19防止プログラムの重要な点として、ワクチン接種を受けた従業員も「フェイスカバーの着用やソーシャルディスタンスといった保護措置を継続しなければならない」と明記しています。これは、現時点では、COVID-19のワクチン接種が人から人への感染を防止するというエビデンスがまだないためです。今後COVID-19ワクチンについての情報が明らかになるにつれ変わる可能性はありますが、現時点では、ワクチンを接種した従業員と接種していない従業員をCOVID対応プランのなかで区別して扱ってはなりません。
換気性能を向上させる。 建物の換気性能を向上させ、建物内でのCOVID-19の拡散を防ぐ方法については、CDCが重要なガイダンス(https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/community/ventilation.html )を発表しています。OSHAもこのガイダンスのなかで、アメリカ暖房・冷房・空調技術者協会(ASHRAE)の「Guidance for Building Operations During the COVID-19 Pandemic (https://www.ashrae.org/file%20library/technical%20resources/ashrae%20journal/2020journaldocuments/72-74_ieq_schoen.pdf )」を参照しながら、様々な対応策を案内しています。注目すべき点としては、OSHAは、換気を向上させることができない場合、雇用主は建物にいる人数の占有割合を下げるべきであると述べていることが挙げられます。OSHAはまた、OSHA は、空気清浄を高めるためにポータブル高効率微粒子空気(「HEPA」)ファン/ろ過システムの使用を推奨し、さらにSARS-CoV-2 を不活性化するために紫外線殺菌照射(「UVGI」)を奨励しています。
また、ガイダンス中では、以下の点にも重点が置かれています。
- ソーシャルディスタンスを保つこと。
- ソーシャルディスタンスを保つことが出来ない場合はバリアを設置すること。
- 良好な衛生状態を保つための備品の用意。
- 定期的な清掃と消毒。
- 必要な時にはOSHA基準に従ってPPE(個人防護具)を使用すること。
- COVID-19に関してOSHAが定める既存のOSHA要件に従うこと。
これらご紹介した内容は、OSHAの ガイダンスのなかでより詳細に説明されています。ガイダンスは強制力を持ったものではなく(法的義務を課すものではない)、既存のOSHA要件・基準と同様のウエイトを持つものではありません。とはいえ、今後OSHAが同様の内容で強制力を持ったCOVID-19予防のための緊急臨時基準(ETS)を発出する可能性もあります。安全な職場環境を提供するため、ガイドラインを参照し、適切な対策を講じておくことが重要です。OSHAからの強制力を持ったCOVID-19対策基準の発出には、常に注意を払うようにされてください。加えて、CDC、EEOC、および州や地域のガイダンスを継続的にチェックし、職場を安全な環境に保つように努めてください。
English version here.
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