2023年度H-1B抽選登録プロセスについての雇用主へのヒント イアン・ネステルク著 | Employer Tips for the Fiscal Year 2023 H-1B Cap Registration Process
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米国移民局(USCIS)は、2021年度H-1B申請から新しい抽選登録プロセス(H-1B cap registration process )を導入しました。このプロセスは2022年度のH-1B抽選登録にも継続され、きたる2023年度のH-1B抽選登録でも実質的に同じプロセスが継続される予定です。このプロセスのもと、2021年度はUSCISは274,237人の抽選登録を受け、そのうち一次選考で106,100人に当選通知を送付しました。その後USCISは2020年8月に追加で二次選考を行い、追加で18,315件に当選通知を出しました。2022年度は、USCISは308,613件の抽選登録を受け、一次選考で87,500件に当選通知を出しました。その後追加で二次・三次選考が行われ、2021年7月29日に27,717人、2021年11月19日に16,753人に当選通知を出しました。2022年度の三次選考の当選者の方々のH-1B申請の申請期間は、結局2022年2月23日までであり、当選者はそれまでのステータス維持に苦労され、また、当選通知の来ていなかった申請者は、追加の四次選考が行われて当選する可能性があるかどうかを最後まで確認し続けなければなりませんでした。
2023年度H-1B抽選プロセス
2023年度は、熟練労働者の需要が増していること、また米国の失業率が低下( lower unemployment rate )していることから、さらに多くのH-1B抽選登録がされるだろうと見込まれます。2023年度の抽選登録は、2022年3月1日正午(日本時間)に開始されます(リンクはこちら。 March 1, 2022 )。以下では、重要事項を幾つか確認していきます。
1. H-1B 登録者アカウント
- 2022年2月21日正午(米国東部時間)、申請する会社(登録者)はUSCISオンラインポータル(online portal)から新しいH-1B登録者アカウントを作成することができるようになりました。代理人(弁護士)は既存のアカウントを使用することができます。USCISは、詳細なパワーポイントを通じて、H-1B登録プロセスの概要を説明しています(リンクはこちら。detailed PowerPoint.)。
- H-1B登録者アカウントを作成する際、登録者は "I am an H-1B registrant "を選択する必要があります。
- 登録者は、myUSCISの設定時にまだ会社情報を入力する必要はありません。会社情報は、H-1B抽選登録ポータルサイトがオープンする2022年3月1日から入力可能になります。
2. H-1B代理人(弁護士)アカウント
- 代理人(弁護士)は、既に使用しているmyUSCISのアカウントをH-1B登録にも使用可能です。
- 弁護士は、自身のクライアントがmyUSCISの「登録者」アカウントを持っており、またそのクライアントのフォームG-28(委任状)を提出していれば、クライアントを代理して抽選登録を提出することができます。G-28の提出には、2段階認証プロセスがあります。すなわち、まず弁護士がオンラインでG-28を作成し抽選登録を準備すると、ワンタイムパスコードが生成されます。弁護士はこのパスコードをクライアントに通知します。クライアントがmyUSCISアカウントにログインして「代理人パスコードを入力」を選択すると、G-28の内容を確認できますので、そこで承諾するか拒否するかを選択することになります。
- G-28 を承諾したら、次に抽選登録情報を確認できます。そこで、抽選登録を承諾するか拒否するかを選択します。
- 抽選登録を承諾したら、次に、会社の権限ある署名者が指定のボックス内にフルネームをタイプすることで電子署名を行います。クライアントがこの署名まで行った後、弁護士は登録料を支払い、登録を提出することができます。
- 抽選登録を承諾する際、会社の権限ある署名者は、偽証罪のペナルティーのもと、以下を証明することを要求されます。
1) 抽選登録内容を確認したこと、登録に含まれるすべての情報が完全で、真実かつ正確であること、及び2)抽選 登録に記載された者が当選した場合、会社はその者のためにH-1Bを申請する意思があること。
- 1人の弁護士または代理人は、1つのアカウントで1人または複数のクライアントを管理することができます。ただし、弁護士アカウント1つにつき、指定できるユーザは1人のみです。
3. 抽選登録の準備・登録提出
- 登録期間は、2022年3月1日正午(米国東部時間)から2022年3月18日正午(米国東部時間)までです。
- -USCISがこの期間に抽選枠の上限を満たすために十分な数の抽選登録を受けたと判断した場合は、この登録期間に提出されたすべての登録が抽選の対象となります(すなわち登録が2022年3月1日にされたか2022年3月18日に提出されたかは関係ありません)。
- 代理人、申請会社ともに、抽選登録ができるのは2022年3月1日からですが、それより前に、抽選登録のドラフトを確認し編集することをは出来るようになる見込みです。
- 抽選登録が提出された後、ユーザーが登録内容を編集することはできません。しかし、ユーザーは個々のH-1B受益者の抽選登録を「削除」することはできます(受益者の名前の横にある「削除」ボタンをクリックします)。
- 一つの申請会社が登録できる総受益者数に制限はありません。ただし、1つの登録アカウントで登録できる受益者は250名までであり、さらに登録される場合はもう1つ登録アカウントを作成する必要があります。
- 抽選登録が完了し、登録料が支払われると、申請会社は登録したすべての受益者のリストを閲覧できます。各受益者には、19桁の確認番号が割り当てられます。
- 申請会社は、各受益者につき、その年の抽選で1回のみ登録することが可能です。2023年度から、抽選登録システム上で、重複チェック機能が追加され、登録登録の提出前に、重複して提出されていないかチェックすることが出来るようになりました。しかし、このチェックは提出前ドラフトに記載された受益者が、既にその申請会社が登録した受益者名のなかに載っているかどうかのチェックにすぎず、提出前ドラフト内に載る複数名の受益者の名前がダブっていたとしても確認してくれません。もし申請会社が、ある受益者について2つ以上の抽選登録を行った場合、すべての登録が無効とされますのでご注意下さい。登録期間中(2022年3月18日正午(米国東部時間)以前)に重複登録を発見した場合は、重複分を「削除」することで対応下さい。登録期間終了後は削除・訂正はもはやできません。
4. 抽選選考プロセス
- USCISは、登録期間終了後、一次選考を行います。2022年3月31日までに、当選した受益者の申請会社またはその代理人に当選が通知される予定でです。申請会社およびその代理人は、myUSCISの設定時に、希望の通知方法(Eメール、テキスト)を選択することができます。当選した方についての2023年度H-1B申請書は2022年4月1日から提出可能です。
- 抽選に当選した申請会社または代理人には、USCISからEメールまたはテキストメッセージ(自身の選択した方法)で、以下の旨の通知が届きます。1) myUSCISアカウントにアクティビティがあり、2) 詳細を確認するためにmyUSCISアカウントにログインする必要がある。
- 登録者または代理人のmyUSCISアカウントには、登録された各受益者について、以下のステータスのいずれかが表示されます。.
- Invalidated-Failed Payment(無効‐支払不能):抽選登録は行われたが、支払い方法が拒否された、照合されなかった、またはその他の理由で無効とされた。
- Submitted(登録済み):抽選期間がすぎた後も、登録ステータスがSubmitted(登録済み)と表示される場合があります。これは、その選考の抽選で当選しなかったが、その年度末まで追加選考の対象となり続けることを意味します(抽選を通過した者のなかから提出されたH-1B申請数がH-1Bの通常枠または上級学位枠の割当てに満たないとUSCISが判断した場合、登録済みのステータスの者のなかから追加選考がされます)。年度末までには、すべての登録ステータスが、"Selected"、"Not Selected"、"Denied "のいずれかになります。
- Selected(当選):2023年度H-1B抽選登録に当選し、H-1B申請書を提出することができます。
- Not-Selected(落選):2023年度H-1B抽選登録に落選しました。H-1B申請書の提出には進めません。
- Denied(拒否):申請会社またはその代理人が、同一年度の抽選において、一人の受益者のため2つ以上の登録を行った場合、"Denied "と表示され、すべての抽選登録が無効となります。
5. 登録アカウントに関する問題
- 昨年、一部のユーザから、myUSCISアカウントにアクセスできないなどの問題が報告されました。1) myUSCISアカウントにログインしても、空白の画面が表示される、または2) アカウントのどの機能にもアクセスできない、といったものがありました。
- これらの報告をされたユーザの中には、ブラウザとしてSafariまたはGoogle Chromeを使用していたが、Firefoxなどの別のブラウザに変えたり、myUSCISにログインする前にクッキーをクリア/削除したりしたことで、問題が解決したという方もおられました。
- H-1B登録手続き中に技術的な問題が発生した場合は、USCISコンタクトセンター(1-800- 375-5283)に電話下さい(月曜日から金曜日の東部時間午前8時から午後5時まで)。H-1B抽選登録手続き専用の電話回線は設けられません。また、アカウントのパスワードやアカウントのロック解除については、オンラインで問題対処することも可能です。
6. 最近の変更点
- 2022年2月25日、USCISは、2022年4月1日以降に申請されるH-1B申請書およびそれに付随するI-539、I-765、I-824等の提出書類は、各フォームごとに提出手数料を支払わなければならないと発表しました。
- USCISは、H-1B登録ツールの改訂案をOMB(Office of Management and Budget)に提出しています。コメントの提出は2022年2月22日まででした (87 Reg. 3321 参照)。
Original version in English here.
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